フィリピン

フィリピン人スタッフをマネジメントして学んだこと Vol.1

ハイストリートの街並み

日本式の「正しさ」は通用しないと知った日

2016年、私は長年働いてきたアパレル業界での仕事を辞めて、30代で周りの友人たちがどんどん結婚していく中、フィリピン・マニラへ単身移住。訪れたこともないマニラへ乗り込みました。

最初の3年ほどは日系企業で正社員として働き、その後はフリーランスとなって友人の会社でオンライン英会話のマネージャーや、記事の執筆・編集作業、はたまたギャラ飲み立ち上げのお手伝いでフィリピン女子の面接や管理…などなど、向こうでの友人繋がりもあり、様々な立場でフィリピン人と関わってきました。

フィリピンでの仕事が決まってから、海外で働くことは初めてだったので英語を使用して仕事をすることはもちろん「フィリピン人とは、どんな風に働けば良いの…⁈」と不安で「フィリピン人 マネジメント」「フィリピン人スタッフ 接し方」などと何度も検索をしました。

もちろん参考になる記事はありましたが、大体同じような一般論が多く、「実際に現地採用として長く働いた日本人」のリアルな体験談は意外と少ないなぁと感じたのです。

働いていたオフィス周辺。高層ビル×ヤシの木で南国感満載🌴


私は「日本へ戻るつもりはない」という気持ちでフィリピンへ移住したので、仕事でもプライベートでも、フィリピンの文化や人の考え方を理解しながら馴染んでいこうと自分なりに努めてきました。

さらに2017年からは、現在の夫であるフィリピン人の彼と付き合い始め、仕事ではフィリピン人スタッフと、プライベートではフィリピン人の彼と過ごす中で「なぜフィリピンではこう考えるんだろう?」と疑問に思うたび、彼の意見を聞くことも増えていきました。

そんな私が、フィリピンで働く中で経験したことや失敗談、そして日本との文化の違いから学んだことを、フィリピン人の身近な視点も交えながらリアルにシェアしていきたいと思います。

今回は、その中でも特に印象に残っている「日本では当たり前だったことが、海外では当たり前ではなかった」という経験のひとつです。

日本人というだけで与えられる立場

フィリピンの日系企業では、「日本人」というだけで年齢関係なく、現地フィリピン人スタッフより高い給与や役職を任されることが多くあります。もちろん責任もありますが、現地スタッフから見れば…

「同じ業界での経験もない日本人が、突然上司としてやってきて、自分たちより遥かに良い給料をもらっているぞ⁈」

そんな風に映ることもあります。もちろん経験がある場合もありますがね。
私だって反対の立場だったら、そう思うだろうな〜。

だからこそ、日本人側も「立場」だけでなく、現地スタッフたちと信頼を積み重ねていく努力が必要なんだということは、働いていくうちに非常に感じました。

日本式の「正しさ」で動いてしまった私

同僚たちと。PPAPが流行っていた時で、アタシはパイナポーとペンを持ってます🍍✏️


入社して2ヶ月くらいの頃に起こった出来事です。

私はオンライン英会話事業部のジャパンデスクとして、フィリピン人講師をマネージメントするSV(スーパーバイザー)という役職で働いていました。同じポジションには日本とフィリピンのハーフの男子が同じチームで、その他にフィリピン人SVとして女性スタッフ2人がおり、3人とも20代で年下でしたが皆いい感じで仲良く過ごしていました。そんなある日、1人の女性スタッフが、仕事中にもかかわらず二日酔いで机に突っ伏して寝ていたのです。

彼女は普段から仕事帰りにお酒を飲むことが多いらしく、明らかな二日酔い&ドすっぴんで出社してきたり(普段はバッチリメイク)、酒の匂いを漂わせて眠そうにしていたりする人だったのですが、私自身もお酒は好きなので「飲みに行ったらそうなっちゃうよね〜」くらいに見ていました。

しかし、さすがに仕事中にこうも堂々と寝るのはどうなのかと…
彼女の部下も質問をしに彼女のデスクに来て戸惑っていたりする様子なども見て、「これはあかんのではないか?」と普通に思ってしまったのです。

「フィリピン人は皆の前で注意したり怒ってはいけない文化」ということは事前情報として知っており、私は彼女の上司でもないわけなので、そっと彼女の直属のフィリピン人上司であるマネージャーへ報告しました。そっと彼女から注意して貰えば大丈夫だろうと。

真面目で仕事ができるそのマネージャーも、

「教えてくれてありがとう!私から話しておくね。」

と言ってくれたので、私は安心していました。

が…それがここフィリピンでは大きな間違いだったということに気付かされるのであります…。

翌日から始まったこととは


その翌日から、彼女と仲の良いもう1人のSVによる私への嫌がらせが始まったのです。

当時の私はタガログ語が全く分からなかったのですが、目の前でおそらく悪口だと思われるタガログ語を大きな声で2人で話し始めたり、私を見ながらヒソヒソと話したりと。「これは様子がおかしいぞ?」ということは明らかに分かる態度でした。

仕事やりにくくなることは避けたかったので彼女ともっとコミュニケーションを取れる様に試みたんですがね、中々上手くいかず…。
当時他にも色々ひどいことをされたはずですが、時が経つと忘れるもので、細かくは覚えておりません。そういうの忘れる性格です。

しかしそんな今でも忘れられないことがひとつあります。
いつも出勤しているオフィス(BGC)とは別のオフィス(ケソンシティ)へ週に1回勤務する必要があったのですが、そこにはジャパンデスクのうち1名が行けば良かったので、私はパソコンを同じチームのフィリピンハーフの男子と共同で使用してました。

そこである日出勤した際、社内チャットで使用しているSkypeを開いたところ、その男子は自分のアカウントでのログアウトを忘れ、ログインしたままだったのです。そして見てしまった、彼と例の酔っ払いフィリピン女子とのDMのやり取りを。

タガログと英語のミックス(タグリッシュと呼ばれてる)で、私の悪口を2人で散々言い合っていたのです。英語が混じっていたことと、明らかに私の容姿をバカにする画像なども盛り込まれていたので、分かってしまいました。

その男子とは一緒のチームでやっていて、更に彼は新卒の年齢だったので社会人としてのあれこれも教えてあげたり、2人で一緒に飲みに行ったりするほど仲良くやっていると私自身は思っていたので、そのやり取りを見た時は本当〜〜〜にショックでした。

悔しいし、何言ってるかをちゃんと知りたいのもあって、全部スクショして、フィリピン人の夫(当時は彼氏)にそれを送って訳してもらいました笑

「なんでこんなことになったんだろう…」と嘆き、1社目にして早々にフィリピン人と働く壁にぶち当たったのでした。

この経験が考え方を変えてくれた

ジョリビーとの写真
会社のHalloween Partyにて。フィリピンで大人気のJollibeeとマリオの私🥸


もちろん、嫌がらせをすることは決して良いことではないです。

その後、例のメッセージのやり取りを確認した上司が「勤務中であったこと」そして「内容に非常に問題がある」ということから、そのスタッフたちと話し、最終的に2人は会社を去ることになったのでした。

同じチームだった男子には最終日に直接謝られたので、少しホッとして、これをきっかけに成長していって欲しいなと思いました。(女子の方は最後まで私をフルシカト笑)

そして、この出来事を通して私自身気づいたこととは。
私は「仕事中に寝るのは間違っている」という、日本で身につけた価値観だけで判断してしまったこと。

もちろん仕事中に寝ることを肯定するわけではないです。

でも、「どう伝えるか」「どう注意するか」は、その国の文化や人間関係を理解した上で考えなければいけない。日本での正解を、そのまま海外へ持ち込んではいけない。

まずはコミュニケーションを取って仲良くなり、外国人でもある私だけど、あなたの敵ではないよ!と認識してもらう。その上で何かあれば上司に言う前に「さっき寝てた時部下が来てたよ〜寝ちゃマズいよ〜」などと軽く言ってみる、などのステップを取れれば良かったのかもと考えました。

それが私が最初に学んだ、大きな教訓なのでありました。

タガログ語を勉強し始めた理由


ちなみに、この出来事をきっかけに私はタガログ語の勉強を始めました。

「もう目の前で悪口を言われても分からない、なんて状況にはさせない。舐められないぞ!」

という気持ちと共に

「私はフィリピンという国が好きであり、だからあなたたちの言語を学んでるよ!」と行動で知ってもらいたいからです。

今思えば、この辛かった経験はフィリピン生活の大切な転機だったと思います…!

まだまだあるフィリピンでの仕事経験


今回は、私がフィリピンで働き始めた頃に経験した、「日本では当たり前」だと思っていたことが、海外では必ずしも当たり前ではないと気づかされた出来事について書きました。

フィリピンでの仕事では、このほかにも「え、そうなの!?」と驚いたことがたくさんあります。

「定時で帰るのが当たり前」「家族の事情で仕事をすぐ休む」「Sick Leaveの使い方」「謝らない文化の背景とは」などなど…!

また別の記事で、私自身の経験を交えながらシェアしていきたいと思います。